イタリア・ナポリの老舗カミチェリア、LUIGI BORRELLI。
その歴史を紐解くと、1957年に創業したというのが有名ですが、
実はその50余年前に存在したひとりの女性から物語がはじまります。
その女性こそが、創業者ルイジの母であるアンナです。
1904年、アンナはヴェスヴィオの麓、サンセバスティアーノの自宅で、
近所の人たちのためにシャツの仕立てをはじめます。
アンナの仕立てるシャツは瞬く間に評判となり、
ナポリの洒落者たちがこぞって袖を通すようになります。
その後、アトリエを構え、シャツ作りを生業にするようになります。
アンナのシャツづくりの情熱を受け継いだ息子ルイジは、
1957年に自身の名を冠したシャツメーカーを創業させます。
このシャツメーカーこそが、現在のLUIGI BORRELLIです。
ルイジは、平面的で硬い縫製のシャツしかなかった時代に、
人体を徹底的に研究し、ミシンとハンドワークを使い分けながら、
量産を前提とした、最高の着心地のシャツを完成させます。
熟練した職人が、ゆとりを持ちながらも丁寧に縫い上げるシャツは、
ナポリシャツの代名詞として世界中で愛されるようになります。
1980年、ルイジのひとり息子ファビオが経営に参加します。
ファビオは、世界でもっとも有名になったシャツだけではなく、
それに合わせるためのネクタイの生産をスタートさせます。
2001年からは、シャツと同じ発想で、上質な着心地と
最高のクオリティを追求したスーツ、ジャケット、ボトムス、
ニットウェア等の生産に着手し、トータルラグジュアリー
ブランドとしての歩みをはじめます。
現在、ナポリ、ローマ、ミラノ、ニューヨーク、
そして東京と、ワールドワイドに挑戦し続けています。